「バイアス」によってあなたの行動や判断は無意識に操られて損をしているかもしれません。
バイアスとは「人間の脳に備わった思い込みや先入観」です。バイアスのせいで、限界ではないことを限界だと思ってしまったり、本当は限界であることを限界ではないと思ってしまうそうです。
バイアスの罠を突破する方法がメンタリストDaiGoさんの「無理なく限界を突破するための心理学 突破力」には書かれています。
本書の中から「バイアスの罠を突破する簡単な方法」と「代表的なバイアス5つ」を紹介します。
バイアスの罠を突破する方法
「無理なく限界を突破するための心理学 突破力」のchapter2では「バイアスから逃れて自由になるための4つの扉」が紹介されています。
その中でも一番簡単に実践できると思ったバイアスの罠を突破する方法は「バイアスを学ぶ」です。
特定のバイアスについて学んだ者は、その直後から思考の偏りに惑わされにくくなり、正しい判断をする確率があがるそうです。
しかし、その効果は2,3週間しか続かないそうです。バイアスは何十万年という人類の歴史の中で脳に書き込まれた強力なプログラムだからです。
そのため繰り返しバイアスについて学んだり、本書で紹介されている他の方法なども組み合わせていくことが必要です。
次に本書の中から5つのバイアスを紹介するので、これらのバイアスを繰り返し学んでバイアスの罠から突破していきましょう。
引っ掛かりやすい5つのバイアス
本書のchapter3では間違った判断を生みやすい20個のバイアスが解説されています。その中から多くの人が引っ掛かりやすいと思ったバイアスを5つ紹介します。
1. 潜在的差別バイアス
潜在的差別バイアスとは「気づかないうちに他人を見下してしまうバイアス」です。
多くの人は差別はよくないものであると感じていて、差別をしないように生きていると思います。しかし、ほぼすべての人は知らず知らずのうちに何らかの差別意識を持っていて判断が左右されていることが分かっているそうです。差別の対象は、人種・職業・年齢など様々です。
差別的で見下すような態度をとれば、人間関係が悪くなります。また、潜在的差別バイアスが強い人は健康へのダメージが大きく、早期死亡率が高いそうです。
このバイアスに対処するためには自分にはどのような「無意識の差別」の傾向があるのかを知ることが有効です。ハーバード大学の「潜在連合テスト (IAT)」を使って簡単に知ることができます。
2. 単純緊急性効果
単純緊急性効果とは「重要なことを後回しにしてしまうバイアス」です。重要だと思っていることよりも、締め切りが近いだけの重要でもないことをしてしまいます。
本当は自分の将来のために運動したり、資格の勉強をしたりすることが良いとわかっているのに締め切りが近い資料作りばかりしてしまうのもこのバイアスが原因です。
「忙しいなぁ、やることが多いなぁ」といつも思っている人ほどこのバイアスの罠にはまりやすいそうです。
このバイアスに対処するためには、締め切りが近いせいだけで目の前の作業をやっていないかと考えることが有効です。また、締め切りに追われないように計画を立てることも大切だと感じました。
3. 現状維持バイアス
現状維持バイアスとは「今の状態を保ちたいと考えてしまうバイアス」です。変化を起こした方が合理的でも、変化を起こすような行動をしないで現状維持をしてしまいます。
「サークルや部活に多くの不満があるのにダラダラと続けてしまうこと」や「やるかやらないか迷ったときにやらないと決断すること」などもこのバイアスが原因です。
多くの人が引っ掛かりやすいバイアスですが、現状維持バイアスの罠を突破し行動すると幸福度が高くなることが分かっています。
現状維持バイアスとその突破法については以下の記事の中で解説しています。
4. 隠れナルシストバイアス
隠れナルシストバイアスとは「自分を平均よりも優れていると思ってしまうバイアス」です。隠れナルシストは「自分には才能や能力がある」と思っているのに努力や行動をしません。そのため、生産性がありません。普通のナルシストには行動が伴います。
周囲から褒められている友人やユーチューバーを見て「自分はもっとすごいことができる、面白いものを作れる」と心の中で思うだけで何も行動していないのもこのバイアスが原因です。
能力の低い人ほど自分の能力を過剰評価してしまうそうです(ダニング=クルーガー効果)
このバイアスに対処するためには、chapter4で紹介されている知的謙遜を身に付けるか実際に行動して能力を身に付けることが有効だと思います。
正しい勉強法を知ることで効率的に能力を身に付けることができます。
5. 感謝ギャップ
感謝ギャップとは「感謝のメリットを実際よりも低く見積もり、相手へのお礼を控えてしてしまうバイアス」です。
照れ臭さを感じたり、言葉にしなくても感謝の意が相手に伝わっているだろうと思い、感謝の言葉を伝えなかった経験は誰にでもあると思います。
このバイアスに対処するためには、感謝を伝えると伝えた側にも受け取った側にもメリットがあることを理解し積極的に感謝の意を伝えることが有効であると思います。
感謝の気持ちを忘れない人ほど幸福度が高く、健康で貯金も増える研究結果があるそうです。それだけではなくコミュ力まで上がるそうなので感謝を伝えない理由はありません。
まとめ
1. 潜在的差別バイアス
2. 単純緊急性効果
3. 現状維持バイアス
4. 隠れナルシストバイアス
5. 感謝ギャップ
バイアスを知り「今の自分はバイアスに支配されていないだろうか?」と考えるだけでバイアスの罠に引っ掛かりにくくなることと代表的な5つのバイアスについて紹介しました。
バイアスを知ることで正しい判断ができるようになる効果は数週間しか続きません。この記事や本書で繰り返しバイアスについて学んだり、本書で紹介されている他の方法を組み合わせることでバイアスの罠から突破していきましょう。